ジクレー印刷はご存じでしょうか。
特殊な印刷機でインクを画面に吹き付けるジクレー印刷は、色の再現性や耐久性が高いとされ、美術業界でも一般的になっています。
最近では、美術展なんかに行くとお土産コーナーで販売されているのをよく見かけます。
そこで今回は、話題がとまらないAIによる作品とジクレー印刷の掛け合わせについてすこし考えてみます。
AIで生成した作品をジクレー印刷で立体作品にする
2024年10月にジクレー印刷による名画の複製画を鑑賞した際にこう思いつきました。
「AIで作品を生成して、それをキャンバスにジクレーで印刷するスタイルは近い将来増えるのでは?」
誰でも手軽にスマホと印刷代だけでお気に入りの立体作品を作れますし、AIを活用するアーティストもこの手法を取り入れていくかもしれません。
そこで調べてみると、生成AI画像もジクレー印刷可能という印刷業者が既にあるようです。
実際のところどこまで普及するかはわかりません。ですが、AIの上手な・きれいな絵が他のキャンバス作品と同じ見た目で並んでいてもおかしくない時代かと思います。
AI×ジクレーのいいところ・よくないところを想像してみる
いいところは、誰でも手軽に美しい作品を立体作品として飾ることが出来る点、でしょうか。
生成AIの作品は、これまでの膨大な美しい作品の要素を分解してそれを再構築して出力したものなので、ぱっとみきれいですし、すごいと思わざるを得ないです。
それをキャンバスや紙に美しく印刷する技術で手で触れられるものに変えられれば、品質も高いでしょうから満たされる人もいると思います。
例えば、レンブラントの作品をAIが学習して彼のスタイルで筆跡もリアルに生成した作品が手元にキャンバス作品として来るとなると興奮するだろうなと想像します。
一方でよくないところは、感情の無い無機質さ、でしょうか。
どれだけうまい絵が出力されて、絵具で塗ったかのような素晴らしい品質で印刷されたとしても、それはデータが創り上げた作者不明の物体という点です。
是非は受け手が絵に何を求めるか次第。
よく話題になるような著作権や倫理的な問題はいったん無視して考えると、
きれいな絵を自宅やオフィスに飾ることさえできれば嬉しいというタイプの方なら有り難い技術の進歩だと思いますし、絵画に美しさだけでなくそこにしかない感性や作者による感情も鑑賞に含まれていると考えるタイプの方ならナシだと思います。
私は、ジクレー印刷の技術そのものは素晴らしいと思っています。
ですが、なんでも便利なものがいいというわけではなく、時間をかけて、思いを込めて、創り上げた一点ものという存在にはそこだけにしかない価値があると考えています。
さいごに
印刷じゃない手描きの作品の良さってなんだろうと、こうしてたまに考えながら制作をしています。
新たな視点として何かの気付きのきっかけになればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。



